窓ガラスや食器、手作りのガラス工芸品やおもちゃとして知られるビードロなど、今や私たちの身の回りに当たり前のように存在しているガラスは、何からできていて、どのように「ガラス」と呼ばれるようになったかをご存知でしょうか?
ガラスは、透明で叩くと硬く、それでいて割れやすいといった特徴があり、珪砂(けいしゃ)が主原料となっています。砂をじっくり見た時に見えるキラキラしたものが珪砂と呼ばれるものです。
主原料である珪砂を液状になるまで溶かして成型することで、様々なガラス製品ができあがります。しかし、珪砂には珪酸(SiO2)が含まれており、約1,700℃以上の高温でなければ溶けない性質を持っています。
そのため、一般的には珪砂にソーダ灰(Na2O)を加えて溶けるまでの温度を下げて、さらに水には溶けないよう石灰(CaO)も加えられています。
ガラスに熱を加えるとドロドロした状態になることは、多くの方がご存知だと思います。それでは、どうしてガラスを熱するとドロドロの液状になるのでしょうか?通常であれば、自然に存在する固体状の物質は、分子が規則正しく並んだ固有の結晶構造を持っています。
しかし、ガラスは不規則に網の目が連なっており、固有の結晶構造を持ちません。こうした構造は「ガラス状態」と呼ばれ、液体に近い性質だと考えられています。そもそも液体は、熱を加えることでドロドロになり、冷やすことで固まる性質を持っているため、固有の結晶構造を持たないガラスと同じような性質といえます。
熱を加えると溶けるガラスは個体ではなく、液体に分類されているのです。
私たちは何気なく「ガラス」と呼んでいますが、実は古く昔は呼び名に違いがありました。昔はガラスのことをインドから中国を経て伝わった「瑠璃(るり)」や「玻璃(はり)」と呼んでいました。16世紀になってヨーロッパから様々なガラス製品が入ってくると、ポルトガル語では「Vidro(ビードロ)」やオランダ語では「Diamant(ギヤマン)」と呼びはじめます。
今のようにガラスと呼ばれるようになったのはさらに時代を経た後のことで、オランダから伝わった「Glas(ガラス)」という言葉が名前の由来となっています。
普段何気なく使用しているガラス製品。その豆知識を知っていると、次に使う時に少しワクワクしてくるかもしれません。
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